なかだfarmの想い

Story

なかだfarmの想い

なかだファームは、千葉県で江戸時代より350年続いている農家です。
祖父母の代が現在14代目として野菜栽培を中心に行っています。
家族構成は、両親、兄、私4人です。

以前は、
「農業は自分たちの代で終わりにする」
「農業は儲からない」など、
子供にはやるべき仕事ではないと言われ育ちました。

幼い頃から両親の仕事ぶりを間近で見ていても、朝は4時5時から仕事が始まり、夜は日が落ちるまで働き、休みなど全くありませんでした。

だから、小学校などの休みに出掛けた事など殆どありませんでした。この様な日常が当たり前だったので 私も農業はやりたいと思いませんでした。それに両親も薦めることはありませんでした。


なので必然的に兄は柔道整復師に、私は保育士の道に進みました。

保育所で保育士の仕事を始め子ども達と過ごす事で、大変な思いで親は子育てをしていることを知る事ができました。
改めて自分の両親は、仕事をしながら、介護をしながら、いくつもの事を一緒にこなしてきていた事に気づきました。

保育士の仕事を通し親が子どもを思い愛情を持って育てている事、大切なお子さんを預かり大切な時間を共有している事が分かりました。
保育士の仕事は親の思いを共有して愛情を持って育てていく事だと思います。

また、その仕事の中で食育について学ぶ機会がありました。

実際に給食に出る食材を子ども達に見せて反応を見て驚きました。
野菜の名前を知らない子どもがとても多いことに驚きました。

「にんじん」「じゃがいも」「だいこん」「キャベツ」「わかめ」等
自分が口にしている物、自分の身体を作っている食材を知らないと言うことにビックリしました。
料理名で「豚汁」「カレーライス」「ほうれん草の胡麻和え」「きんぴらごぼう」など、名前を聞いた事があったとしても、「野菜の名前を知っていても・・・」

実際に“だいこん”と言う野菜を見せて「野菜の名前はなんだ?」と聞いてみると分からないのです。
保育所の活動の中でも食育に力を入れ始め、給食の調理員と協力で進めていきました。

毎日の給食に使われる食材を少しずつ分けてもらい0歳児から5歳児まで各クラスに回し食材の事を知らせていきました。
この活動も継続していく事で子ども達に“興味関心”を持つきっかけになりました。

保育所という場を利用して知らせていく場所があった事がとても大切だったと思います。

保育所在職中に結婚、出産、子育てを経験しました。

遊び場は、野菜の生えている畑。人参を抜いたり、耕した畑で泥遊び、山ずくり、リアルおままごと。など
離乳食は採りたて野菜、歯固めはスティック野菜。

自然の中で四季を感じ子育てしてきました。が1年後に仕事復帰・・・。
保育所に子どもを預け仕事を続けましたが、具合が悪くなり毎日連絡の電話。
両親も仕事の為預ける人はなし。

ここで決断の時。「仕事辞めます。」
「三つ子の魂百まで」未来へ思いをかけました。

それからの毎日は子ども中心の生活に変わり、心も穏やかに過ごせる様になりました。

回復後は、2人の子育ても自然中心、畑遊び中心、自家製野菜中心で楽しみました。

第二子が4歳を過ぎた頃より、保育士の仕事で復帰をする。

今回の仕事復帰で全く違うのは、自分も親になった事だった。親の気持ちになり寄り添う事ができる事。

その気持ちを大切に仕事に励む毎日になりました。

保育所の仕事に戻り、食育の現状を見ました。以前と全く変化していませんでした。強いていうなら苗から野菜を育てている事でした。育てるというより係りの子供が水やりを担当するという事でした。やっぱり専門外の事なので難しいと感じました。

しかし、「自分にできることはないのか?」と考え、見せるだけでも本物の野菜、泥のついた野菜を見せたいと思いました。

実際、葉っぱがついたり、泥のままなど見た事のない子どももいました。
この様な触れる機会はとても大切なことだと感じました。
保育士の仕事も残念ながら任期満了で終わることとなりました。

両親が代々してきた農業、保育所での現状、色々な場面で「自分の身体を作る食材」のこと知られていないこと、知る機会がないっことに気づきました。
まず、身近な野菜のことから始める事にしました。
両親と一緒に畑に行き土づくりから、管理の仕方などを一つずつ。

作った野菜を直売所で販売したり。繰り返し教わる事で年間を通しての流れがわかる様になりました。
そして、自分でも作ってみたい野菜など新たに増やし年間80種類の野菜栽培ができる様になりました。

野菜栽培を通しこだわりもでき、低農薬で育てる、雑草とりはなるべく手で取れる様管理していくなど。この一連の作業をしていると「手をかけ愛情を持って育てる」ことは、子育てと一緒だと思います。
大切に作った野菜を直売所を通して皆んなに食べて頂きたいと思いました。

その為に、お客さんとのコミュニケーションを取る場として直売所を開くことにしました。

新たな夢として「焼き芋屋さん」もやりたいと思いました。
きかっけは、”いも子の焼き芋阿佐美や”をテレビで見たことでした。
「好き」や「楽しい」を仕事にできること、分からないことは仲間が教えてくれるというのは、とても力強い言葉でした。

野菜の直売所と焼き芋屋さんを通し、地域の人達に目に見える「安心安全な新鮮野菜を届ける」、「食べてほっこりする焼き芋屋さん」を目指します。